いじめ事件を追うドキュメンタリー監督の選択を描いた人間ドラマ。
瀧内久美さん主演で2020年に公開された、映画『由宇子の天秤』。
こちらの記事では
映画『由宇子の天秤』の
- 映画の考察&解説
- 映画本編のその後があるとしたら?
- 印象に残っているシーン
について映画ファンの方に答えていただきました。
※映画本編の内容に言及しておりますので、未視聴の方はお気を付けください。
ぜひ『由宇子の天秤』本編と一緒にチェックしてみて下さいね。
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目次
駐車場で由宇子が萌の父親に話をした理由
映画『由宇子の天秤』本編のラストシーン。
駐車場で由宇子は、萌の父親に萌を妊娠させた相手が自分の父親であることを打ち明けますが、なぜそうしたのでしょうか。
この時の由宇子の心情や行動に隠された意味について考察していただきました。
ドキュメンタリーディレクターである自分と、加害者側に立っている自分を天秤にかけた
30代男性
由宇子が真実を追い求める性格がゆえの行動です。
これは、後にカメラを回すシーンにも繋がることですが、由宇子が常に真っ直ぐで真実を伝えたいタイプの人間だからです。
自分や父親、萌、そして自分がディレクターである放送前のドキュメンタリー番組を守るため、妊娠の事実を隠していますが、病院に運ばれた萌を見たときから少しづつ由宇子の気持ちは変化しています。
ドキュメンタリーディレクターである自分と、加害者側に立っている自分を天秤にかけた結果、打ち明けることを選んだのではないでしょうか。
自分自身が不誠実ではいられなくなった気持ちからの告白
50代女性
ドキュメンタリーディレクターとして数々の事案を扱ってきた由宇子が、家族たちの苦しむ様子はずーっと見続けてきた事と思います。
しかし、今回の事件を扱う中で、対象となった人たちとの交流の最中、自分の家族もまた加害者であるのでは?と傍観者から当事者へと立場が大きく変化したのが一番大きな理由だったと思われます。
さらに苦しみながらも本当の事を伝える家族を目の当たりにし、相手が傷つくのも分かっていながらも自分自身が不誠実ではいられなくなった気持ちから告白してしまったと推察します。
ラストシーンで由宇子がカメラを回した意味とは
物語の最後に、萌の父親に首を絞められた由宇子は、彼が立ち去った後にカメラを回しますが、この行動の意味とは何だったのでしょうか。
この時の由宇子の心情や行動に隠された意味について考察していただきました。
ドキュメンタリーディレクターである自分を選んだがゆえの行動
30代男性
ドキュメンタリーディレクターである自分を選んだがゆえの行動です。
本編の序盤や中盤でもカメラを回すシーンが出てきますが、一人の人間である前に、ドキュメンタリーディレクターであることを常に意識して生きていることの表れだと感じました。
本編では、ディレクターである自分と一人の人間である自分を常に迷いながら生きている由宇子ですが、これがまさに"由宇子の天秤"だと思います。
ラストシーンではついに、加害者側である自分を捨て、ドキュメンタリーを撮影する道を選んだのだと思いました。
表に出すためのものではなく、自分自身に突き付けるための戒めの映像を残した
50代女性
今までも上にねじ込まれて意図しない製作を容認してきた由宇子だったので、今回の事件の隠された真相を知って行く事で、裏取りがきちんとなされないまま鵜呑みにしていた自分の、今の状態に至った経緯の真実を戒めとしてカメラに収めようとしたのではと思います。
それは外に出す物ではなく、自分自身に突き付けるための映像目的であり、自身の行動が大きく間違っていたとしても、キツイ現実を体験しようが仕事に対する情熱は消えていない現れだと感じました。
映画本編のその後はどうなる?
主人公である由宇子が、自らに向けてカメラを回す…という終わり方をする映画本編ですが、その後の展開はどうなるのでしょうか?
もし映画にその後があったら……?を考察していただきました。
30代男性
由宇子は病院に運ばれ助かるのではないかと思います。
萌も意識を取り戻しますが、流産し記憶障害に。由宇子は一旦、職場を退職するのではないでしょうか。
父親は隠していたことが世にばれて刑務所に入ります。
萌の父親は消息不明になり、記憶障害の萌と由宇子は一緒に暮らし始めるのです。
萌との生活が落ち着いた頃、加害者側である自分のことをドキュメンタリー番組として制作することを決心し、由宇子は制作を始めます。
父親が出所したタイミングで、父親と萌と自分とでドキュメンタリーのラストシーンを撮影し、制作が全て終わると、どこかの会社にドキュメンタリー番組を売り込みに行く…という展開だと嬉しいです。
50代女性
萌の体調が良くなってくるその時間の経過で、彼女も全てを知った父親も徐々に心の平静を取り戻し、2人で話し合った結果、子供のDNA鑑定を行い由宇子の父親とは違う判定が出ると予想します。
萌のその後は自分の夢を父に伝え、今までと違って2人で前を向いて進んで行けるようになると思います。
由宇子の父親は塾をたたみ、子供らとは直接関わらない別の仕事につきます。由宇子は今の会社を離れ、フリーランスとして頑張って行くと予想します。
映画『由宇子の天秤』で印象に残っているシーンと出演者は?
瀧内久美さんが主演を務めた映画『由宇子の天秤』で、最も印象に残っているシーンと出演者を教えていただきました。
序盤に由宇子がスマホで父親を撮影するシーン
30代男性
本編の序盤のシーンでの由宇子です。
由宇子がスマホで撮影をしながら、「私になんかいうことあるでしょ?」と言い、父親が「ありがとう」と言うと、由宇子が「違うでしょ!!」と言い放ち、妊娠検査薬を見せつけ「ここ。よくみて。」というシーンです。
なぜこのような場面でスマホで撮影をするのか、不思議に思います。
しかし、本編が終盤に近づくにつれて、その意味がよく分かります。
由宇子はドキュメンタリーディレクターである自分を常に意識しながら生きているのです。
プライベートを撮影をするのはその意識の表れです。
そんな由宇子の姿は職務を全うする強い人間として私の目に映ります。
萌の妊娠を隠そうとする由宇子の意外にも思えたシーン
50代女性
主人公・由宇子役の瀧内公美さんの、仕事のために鋭い眼差しで取り組んでいるのが強い人って感じがしてとても引き込まれました。
突然に当事者となってしまった由宇子の、萌の妊娠をどうにか隠そうとするシーンが意外で印象に残っています。
また梅田誠弘さんの演じる萌の父親が、真実を知る前までのくったくのない笑顔で由宇子ら親子に接していたのがとても印象的でした。
それは、事情を知って寡黙がちになっている由宇子の沈んだ雰囲気とは対照的だったので、特に目立っていて切なくなってしまいました。
まとめ
『由宇子の天秤』の
- 映画の考察&解説
- 映画本編のその後があるとしたら?
- 印象に残っているシーン
についての解説と考察でした。
新たな視点や納得のいく考察はありましたか?
ぜひ『由宇子の天秤』と一緒にチェックしてみて下さいね。
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※本ページの情報は2023年11月時点のものです。