雨の日に観たい映画おすすめ40選｜梅雨にぴったり！雨が好きになる邦画＆洋画

今はバラエティでも活躍している木村佳乃さんが、ただひたすらに不器用な女の子「あかり」を演じています。
エレベーターのボタンを押そうと思って突き指をしてしまうほどに不器用なんですが、どこか憎めない感じで、とてもかわいらしいんです。
あかりはちくわが大好きで、「好きな人ができたらちくわを一緒に作ってみたい」という願望があり、付き合いだした人と実際にちくわを作るシーンがあるんですが、それがとても印象的で今でもよく覚えています。
その彼女の趣味が雨の音を聞くことで、いろいろな「雨の音」をテープ（CDでも配信でもなくテープでした）に録音して、晴れている日でもそれを聞くんです。その表情がとても幸せそうで。「雨」と聞くとこの作品を思い出します。

この作品はどこかダークな世界観で、光と影のようなものを感じます。見ていて雨のようにザーッと悲しみに浸りたくなるようなところも、雨の日に見たくなるなと感じます。
亮が更紗のことを苦しめていく感じ過程に、ハラハラした気持ちになります。更紗は唯一文のいるカフェ、文の存在が心の拠り所になっていたのも印象的です。
辛いことがあると子供の時、文と出会って一緒に過ごした時間が頭をよぎっているのが心にグッときました。
文は言葉数は少ないけど、優しさと穏やかさが素敵です。更紗の気持ちを考えると、とても心にジーンとくるものがあります。
暗闇から抜け出したいという気持ちが、雨の日に合うような気がするなと感じます。

ピアノコンクールを軸として、若くて才能あふれる4人のピアニストたちの姿を描いている物語です。
全編通して、さまざまな美しい風景と曲目、キャラクターたちと演者の個性が見事にマッチして、見終わると贅沢なコンサートを鑑賞したような気持ちになれる作品なのです。
その中で、とても素敵な雨のイメージのシーンがあり、耳から入ってくるピアノの音とその展開からその画面に強烈で濃密な雨の匂いを感じたという記憶が残っています。
さまざまなバックグラウンドを抱えてそのコンクールにチャレンジする4人のピアニストのぶつかり合い、そして高め合う才能を象徴するようなシーンでした。
雨の日になると、そのシーンを思い出して、また『追体験』したくなります。

ホラー映画が好きな私のおすすめの一作です。
雨の降る薄暗い日に、じっとりと湿った薄暗いこの作品がとてもよく合います。
決して雨の中にオバケ、と言ったようなびっくり系の作品ではありませんが、どこか寂しく静かなホラー映画であり、窓から聞こえる雨音を聞きながら観ていると、まるで映画の世界の中に入った気分になります。
ホラー映画の中でも一際静かな物悲しい恐怖にジワジワと心が蝕まれ、それはまるで玄関先に溜まる雨の水のようです。
ホラー映画のため、晴れやかな気持ちになるわけではありません。しかし、憂鬱な雨の日の気持ちを敢えて憂鬱で楽しむために、この映画に没頭します。そんな雨の日の楽しみ方を私はとても気に入っています。

漫画原作の作品で、漫画を読んだ後に実写版を見たいと思い鑑賞しました。
年上のバイト先の店長に、思いを寄せる女子高生のお話です。店長と出会ったのも雨の日で、ターニングポイントに雨の描写が見られます。
どこにでもありそうな、普段の日常の中での出来事なのでゆったりした気持ちで見ることができ、雨の日に観たくなります。
年の差がありすぎて、まだ高校生である自分が店長のことを好きになってしまい、どう接したらよいかわからない、でも一緒にいたいと思う主人公がかわいらしく応援したくなります。
映画では店長役が大泉洋さんで、漫画の店長とはイメージが違いますがはまり役です。主人公の女の子の気持ちも店長の気持ちもわかるので、とてももどかしくなります。

怪我が原因で陸上の夢を絶たれた女子高生が、たまたま入ったファミレスの店長に一目惚れするという王道ラブストーリーです。
…かと思いきや、店長は小説家になる夢をあきらめきれない冴えない四十代半ばのバツイチ・子持ち。取柄は人がいいところだけ。
みるからに頼りない印象も受けますが、私からするとそのギャップが推しポイントだったりします。
相反するように女子高生が輝いてく姿もとても爽やかで印象的でした。
走る姿は本当に風が通り過ぎていくように見えるのです。タイトルにもあるように、この物語には雨が要所要所で降っています。それらがやんだあとのシーンがとても好きです。
爽やかで、でもどことなく、まだ湿気のある空気が二人のイメージにぴったりあっていました。切ないラブストーリーのような、でも爽やかな恋物語のような、これをみて雨上がりを待ちたいと思える作品です。

ケガで陸上ができなくなり、悲しみ抱えていた主人公がたまたま入ったレストランで、元気づけてくれた店長に恋をします。
年齢が離れ、頼りない店長ながら恋心を抱く姿にピュアさを感じます。
雨の日に出会い、雨の日の告白という、二人の関係性の変化には必ず雨が降っている描写に主人公の感情を感じさせ、美しく感じました。
最終的には恋には発展せず、再び陸上に向き合う主人公の姿が見られ、再会した際の天候に挫折を乗り越えた感情に傷化され、胸が熱くなりました。
主人公を演じる小松菜奈さんの凛とした姿が主人公とリンクし、最後まで惹き込まれた作品です。
感情を出すことが不器用な分、天気で主人公の感情を表現している描写は改めて見ると、主人公の感情の深さを感じさせる作品で、奥深い作品です。

雨の日に殺人事件が起きるという内容なので、雨の日と言えばこの作品を見たくなります。
かなりグロテスクでショッキングな内容ですが、幼少期時代の憎しみや悲しみ、家族愛など色々と考えさせられる映画となっています。
犯人がカエルの仮面を被っている所から、より雨を連想させます。
オープニングから大雨が降っているシーンから始まるので、何となく雨の日に恐怖や不安感を抱くような作品だと思います。
殺人内容もかなりグロテスクで、全て印象に残るものばかりです。正直後味の悪い内容だとは思いますので、ご覧になる際は気をつけた方がいいかと思います。
が、見方を変えればよく考えられた作品です。グロテスクな表現が苦手でなければ、トラウマにならないという方はぜひ見てほしいです。

妻を理不尽に殺された中年男の行き場のない怒りが描かれる物語です。
主演を務めたのは堺雅人さん。堺さん演じる主人公の妻をひき殺した男を山田孝之さんが演じられています。
昔一度鑑賞したきりですが、終盤の雨のシーンでの2人の対峙が鮮烈でした。
見ているこちらが不安になるほど土砂降りの雨の中、渾身の演技で見せるクライマックスに目を奪われます。

東京に生まれ、何不自由なく成長した箱入り娘の華子。対して、田舎に生まれ都会にしがみつきながら働くことに疑問を感じている美紀。
同じ東京に生きながらも、全く違う環境で息をしている2人の女性たちが人生を切り開いていく姿が描かれています。
物語の重要が鍵として、2人の女性の人生に共通して登場する男性の存在があります。高良健吾さんが演じるこの男性は自らを「雨男」と称しています。
主人公・華子の人生で、大事な日にはいつも雨が降っています。
また、雨の日に主人公・華子が差している傘にもご注目いただきたいです。
ご存じない方はさらっと見逃してしまうかもしれませんが、こちらのビニ傘はコンビニでは売っていません。
ビニ傘はビニ傘でも、ヴィクトリア女王御用達のイギリスのメーカー「フルトン」のお値段の高いタイプのビニ傘なのです。
雨のシーンに使われている小道具にも細やかな意味が込められている作品なのだな、と感じました。
「どの生まれでも良い日もあれば悪い日もある。今日一日のことを話せる相手がいればそれだけで最高。」
こちらのセリフに励まされる方も、たくさんいるだろうな、と感じました。
20代後半から30代にかけて息苦しさを抱える女性たちが軽やかに変化していく姿を、岨手由貴子監督が最後の青春譚として紡いでいます。

竹宮ゆゆこさんのベストセラー小説をSABU監督が実写映画化した映画作品です。
どこにでもいる高校生の男の子が、"学年一の嫌われ者"と呼ばれ孤立する女子生徒をいじめから救おうとする、という物語。
UFOや真っ赤な雨の映像表現がとても印象的でした。堤真一さんをここまで怖いと感じたのはこちらの作品が初めてです。
W主演を務めた中川大志さんと石井杏奈さんが挑んだ、鬼気迫るクライマックスにもご注目いただきたいです。

竹内結子さんと中村獅童さんが夫婦役を演じ、この後実際に結婚され話題となった作品です。
「雨の季節に戻ってくる」と絵本に書き残し病死した妻が、梅雨のある日、夫と息子の前に記憶を失くした状態で現れる、という6週間の物語が綴られます。
映画の季節と同じように、梅雨になると思い出し鑑賞したくなる作品です。韓国でリメイクもされています。
何度も観たことがあるため、結末はわかっているのに何度も目頭が熱くなってしまう映画です。梅雨にピッタリだと思います。

芥川龍之介の『藪の中』を黒澤明監督が映像化した映画作品です。教科書でご覧になったことがある人も多いかもしれません。
平安時代を舞台に、激しい雨が降りしきる中、廃墟の羅生門にて物語が進んでいきます。
ある殺人事件を巡り、3人の関係者が現れますが、3人とも全く証言が異なり、どの証言が真実であるのかわからない、といったもの。
それぞれの話がすれ違い、人間のエゴが描かれるモノクロ作品で、黒澤作品には欠かせない三船敏郎をはじめ、森雅之、京マチ子、志村喬、千秋実ら実力派スターが集結しています。
『羅生門』での雨のシーンは、映像に迫力を出すため水に墨汁を混ぜて降らせる、という工夫がされていたのだそうです。

伊坂幸太郎さんの原作小説を金城武主演で映像化した今作品。
雨とともに現れる、死神の仕事をしている"千葉"が主人公です。
そして彼と出会った、7日後に死を迎える予定のOL・藤木一恵を演じるのは小西真奈美さん。今作で歌手としてもデビューされています。
彼女との交流を通じて、千葉は彼女を死なすのか、生かすのか、どんな判定を下すのか…。
雨男な死神が主人公の作品なので、雨の日にピッタリだと思います。

『ナラタージュ』は2017年に公開された行定勲監督の作品です。
タイトルである「ナラタージュ」とはナレーション＋モンタージュを掛け合わせた語で、映画などで特定の人物による語りや回想によって過去を再現する手法、という意味です。
その名の通り、この映画は主人公である泉による回想から始まっていきます。
この映画の「雨」の印象的な点は、恋愛模様を雨で表現している点です。「雨が降るたびに、今でもあなたを思い出す」という冒頭の泉のセリフの通り、大切なシーンでは必ず雨が降っています。
先生と生徒という叶うことのない恋愛における切ない感情を、雨で表現している点がこの映画の魅力であり、雨の日になると自然と観たくなる映画です。

この作品は雨のシーンが何度があり、それによって物語が生まれて繋がっていくところが印象的です。
工藤と葉山が出会った時も雨で、雨に打たれたりしているのはかなりインパクトがあります。
再び二人が会った時も雨で、まるでお互いを呼んでいるかのように感じます。
雨が降るとどこか期待してしまうような感覚になります。雨の日は憂鬱な気持ちになってしまいがちですが、この作品では雨が降ることを思わず待ち遠しく感じてしまいます。

浪人者・三沢伊兵衛とその妻が、旅の途中大雨の為の川留めで旅籠に滞在することになります。
雨がこの物語のきっかけを作ります。旅籠の旅人たちと伊兵衛夫婦との関わりや城下町で果し合いの仲裁をことで藩主から剣術指南役の要請を受けるなど、長雨で足止めされている間の出来事が物語になっています。
剣は強いのに優しい性格で人と競うのが苦手な武士と賢妻が面白くもあり、ほっこりした気持ちになります。観終わった後は雨あがりの様な清々しい気分でした。

長雨によって足止めを食らう人々が登場し、多くの者は鬱々とした気持ちになりがちなのですが、心優しき主人公・伊兵衛とその妻・たよの穏やかさがとても印象的でした。
雨が止まないせいで宿の利用者はそこに留まることを余儀なくされて、喧嘩や愚痴が横行してしまうのですが、それをなだめようとする伊兵衛の人柄のよさがたまらなく素敵なのです。
武士としてはうだつが上がらないとされている伊兵衛でしたが、あんなに優しくて冷静な男性は、私にとっては理想の夫だなぁと思いました。
伊兵衛とたよの柔らかさのお陰で、しとしととした雨の音も心地よく聞こえたものです。

『護られなかった者たちへ』は2021年に公開された瀬々敬久監督の作品です。
舞台は東日本大震災から約10年経った仙台市。生活保護を巡って起こる連続餓死殺人事件の真実に迫るストーリー性と震災を経験した登場人物たちの心情がうまく描かれた作品です。
この作品で印象的なのはやはり、この事件の鍵を握る人物を演じる佐藤健さんと刑事役である阿部寛さん・林遣都さんが雨の中全速力で走っているシーンではないでしょうか。
「逃げ切らなくてはならない」という必死な思いを雨模様によって演出していると感じました。
また、私は東北出身のため、この映画は震災当時の宮城県の姿を伝えてくれる作品だと感じ、事実をもとにした作品なのではないかと思うほどリアリティあふれる作品でした。

東日本大震災について描かれている映画作品を見たことがなかったので、この作品で改めて震災がどのようなものだったのかを思い知らされました。
この作品は震災が背景となっていますが、ミステリー作品でもあり、社会問題についても取り上げていて、全く知る由もなかった生活保護制度の実態についても考える機会を与えてくれたように思います。
俳優陣は豪華メンバーが揃っていて、雨の中佐藤健さん、阿部寛さん、林遣都さんが全速力で走るシーンは言葉がなくても緊迫感が伝わってきて、さすがだなと感じました。