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『永遠の0』最後の笑みの意味を考察|宮部久蔵はなぜ特攻を志願したのか

永遠の0 映画の考察&解説

こちらの記事では

『永遠の0』の

  1. 映画の考察&解説
  2. 永遠の0が好きな人におすすめの作品

について映画ファンの方に答えていただきました。

※映画本編の内容に言及しておりますので、未視聴の方はお気を付けください。

ぜひ『永遠の0』と一緒にチェックしてみて下さいね。

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宮部久蔵が特攻を志願した理由を考察

作中では、臆病者と蔑まれながらも、生きて家族の元に帰ることを何よりも優先していた宮部久蔵でしたが、終盤で遂に特攻を志願することになります。

生還することに執着を見せていた宮部久蔵は、なぜ特攻を志願したのかを複数の視点から解明していきます。

教え子の死で精神が削られていったための志願

自分の教え子がどんどん特攻で死亡していき、精神的に少しずつ削られていってしまったのかなと思いました。

特攻隊は、普通の飛行機乗りと違って100パーセント死亡することがわかっています。
それがわかっていて送り出すというのは、命を大切にする宮部にとって、かなり辛いものがあったのではないかなと思います。

自分は教える立場故に特攻には行かない、送り出すだけという立場も、その葛藤や辛さに追い打ちをかけたのではないかと思いました。

年下の部下を無駄死にさせたことへの罪悪感ゆえの選択だった

物語後半で、若手の特攻隊員を敵地まで引率する役目をしているうちに罪悪感が芽生えたからかなと思います。

自分より年下で、満足に訓練もさせてもらっていない部下を無駄死にさせることしかできないことが苦しかったと思います。

1人の戦闘員の力ではどうしようもできない無力感や絶望感、若く未来もあったはずの部下を死地に送り、自分だけ生きて家族と幸せに暮らすという選択が宮部にはできなかったのではないかと思いました。

同時に、敵国の兵隊だが人を殺してしまったという罪悪感もあり、自分も死ぬのが道理だと考えてしまったのではないかと思いました。

罪悪感と無力感が募った結果の特攻だった

自身が優れたパイロットとして望みはしていないものの、戦時下の空戦で活躍をしたために、特攻に赴くための若いパイロットを育てることとなってしまったことが、宮部さんの最大の不幸だったと思います。

その優しすぎる性格と、自分の信念だった「生きて帰ることが大事」という思いを教え子に伝えることもできず、育てた若者は特攻で死んでしまうという残酷な結末に耐え切れず、絶望と罪悪感と無力感が募りに募って、心が耐え切れなくなったためだと思います。

特攻に駆り出される若者たちの命を救うための志願だった

宮部久蔵が特攻隊に志願理由は、特攻隊に所属している若者たちの命を救いたかったからではないかと考えます。

若者たちは、国の為に命を捧げることをどこか誇りにも感じている姿が宮部には異常に見えていたんだと感じます。

だからこそ、特攻部隊として出発すると「生きて戻る」ことに執着したのだと考えます。

自分も生きて家族のもとに帰りたい、他の者にも同じく生きて日本に帰って欲しいという理由からだったのではないでしょうか。

自分の妻や家族だけではなく国民の人々の命を守る為の志願だった

宮部久蔵は航空兵として優秀で高い操縦技術を持っていましたが、人間の命を重たいものだと考えており、自分の妻や家族だけではなく国民の人々の命を守る為に特攻を志願したのだと思いました。

特攻隊という役割ではありましたが、宮部久蔵自体はすぐに墜落するという気持ちは一切なく、無事に生還するための知識や技術を後輩航空兵たちに継承するということに力を注いでいたので、自分が亡くなるという考えは最後まで無かったと思います。

 

宮部の最後の笑みの意味とは?

映画のラストシーンで薄っすらと笑顔を見せた岡田准一さん演じる宮部久蔵の笑みの意味について、なぜ笑ったのかを考察していただきました。

もう教え子を死地に送り出さなくてもよいという安堵感からの笑顔

色々な感情が渦巻いていたとは思います。

まずは、これでもう可愛い教え子たちを必ず死ぬことがわかっている特攻に送り出さなくていいんだ、という安堵感からの笑みもいうのはあったと思います。

あれだけ必ず帰ると約束していた家族にもう会えないという寂しさや、代わりに生き残れるように機体を変わって、家族をよろしく頼む、というような思いもあったかなと思います。

操縦技術は確かだったので、自分が必ず特攻隊として船にたどりつき、この無情な作戦を終わらせてやるというような決意も感じました。

戦闘における人間の本能が表出した笑みだった

スポーツで技が決まったりフェイントで敵を出し抜けたときのような興奮感、喜び、してやったり感など、戦闘における人間の本能のようなものかなと思いました。

必死に訓練したゼロ戦の戦闘技術が敵に通用し、ほぼ無理と言われている敵艦隊の本体まで辿り着いた達成感、満足感を最期に感じたのではないかと思います。

努力して何かできるようになったり、ライバルに勝つことはとても嬉しいです。

人間的にも立派な宮部もあんな顔もする、人間は本来戦うことや争うことが好きなのか、考えさせられる表情だと思いました。

「楽になれる」という思いと安堵感からの笑み

特攻の成功率は著しく低い、というのが実情です。

本来敵艦に体当たりすべきなのですが、絶え間ない艦砲射撃や銃撃によってほとんどのゼロ戦は何の成果もなく撃墜されてしまいます。

自分の教え子を始めとする若い未来のある若者が、無駄に命を散らしてしまう特攻作戦に、宮部さんは大きな怒りを覚えていたはずです。

深い悲しみと絶望感に苛まれながら特攻に志願した宮部さんは、特攻間際に「楽になれる」という思いと「若者の命を無駄にせずに済んだ」という思いが重なり、さらに「家族を守れた、託せた」という安堵感もあって笑ったのだと思います。

戦争の早期終結という希望を感じたための笑顔

宮部久蔵が敵艦に自爆する時、微笑んだシーンは忘れられません。

映画を観ていた時は「これで、この船を沈めることができる」「他の特攻兵を守れる」と思ったのかな?という印象だったのですが、時間が経つと見え方に変化がありました。

日本にはもう生きて戻れないけれど、家族のことは頼んである。
この船を沈めたら戦争に有利になるかもしれない。
そうなれば、早く戦争が終わりを迎えるかもしれないという希望を感じたからだと思い直しました。

悲しみの気持ちで笑うしかなかった

戦争というものは一瞬にして全てのものを奪ってしまうということを痛感し、自らの努力や考えだけでは何も変えられないということを悟ったのだと思います。

攻として自宅を離れる際に家族と約束した「生きて帰る」という言葉を果たせないまま終わってしまうということや、自分の家族がこれからどう過ごすのかという心配等を思い浮かべ、ただ自分は空から見守ることしか出来ないと思ったと思います。

楽しくて笑ったということではなく、悲しみの気持ちで笑うしかなかったのだと思います。

達成感と満足感、葛藤からの解放から生まれた笑みだった

ラストシーンの笑みには複数の複雑な想いが込められていると思います。

まず、最初は飛行機乗りとしての腕を遺憾なく発揮できる、本当に最後のチャンスだ、という笑みと感じました。

特攻のための飛行技術は大変にテクニックのいるものであり、特攻に臨んでもその手前で撃墜され、敵機までたどり着けるのはほんの一握り。相当の腕と勇気がなければ成功しないそうです。

死ぬわけにはいかないと断言し、戦闘中に無茶な攻撃に参加しなかった宮部でしたが、その腕前はかなりものだったはずです。自らの操縦技術をMAXまで引き出すのは、最初で最後の特攻のタイミングのみ。最後のあの笑みには今まで磨いてきた腕前を発揮できる達成感や満足感も含まれていたと思います。

また、家族の元に生きて帰る、という戦争中では許されない一種の呪いのような呪縛から、託せる人物を見つけたことによって解放された笑みにも見えました。

 

『永遠の0』映画の作中で最も印象に残っているシーン

映画『永遠の0』の作中にてもっとも印象に残っているシーンを教えていただきました。

宮部に人間としての強さを感じたシーン

周りの人が、戦死は仕方がない、もしくは勇気ある栄光ある死だと考える中で、どうしても生き残ろうとする宮部の姿がとても印象に残っています。

弱虫、いくじなしと言われようが、すぐに退避して家族との約束を果たそうとする家族への愛が感動的でした。

また、その宮部の言動が頭に残り、海に落ちても諦めずに生き続けようとした教え子のシーンも印象的でした。

本当の強さというのはこういうものなのかなと考えさせられたと同時に、本当に強い人は周りの人に良い影響を与え、自分で気づかない間にも他の人の行動に影響しているんだなと思いました。

つい本音がもれてしまう松乃と宮部の愛情が垣間見える

久しぶりに帰宅して束の間の家族との時間を過ごした宮部が軍に戻る時、玄関で妻の松乃が引き留めてしまうシーンです。

出立しようとする宮部の後ろ姿に、松乃が必ず帰ってきてほしい、約束ですよと袖を掴んで引き留めてしまいます。

「赤紙万歳」と言わなければ非国民と言われた時代に、本当は誰もが家族に戦争に行かないでほしいと言いたかっただろうと思う印象的なシーンです。

お互い二度と会えなくなる可能性もある中で、つい本音がもれてしまう松乃と、妻をなだめながらも後ろ髪を引かれる思いの宮部の、家族・夫婦の愛情が垣間見える切ないシーンだと思います。

寡黙で怖い景浦が黙って佐伯を抱きしめたシーン

佐伯さんがはじめて訪ねた景浦さんに追い返された後、宮部さんの生き様を徐々に理解し始めた佐伯さんが再度景浦さんを訪ねたシーンが記憶に残ります。

お話を聞かせてもらって帰ろうとした際に、寡黙で怖い景浦さんが黙って佐伯さんを抱きしめたシーンが印象的でした。

宮部さんを憎んでいたとは言いながら、本当は宮部さんが大好きで、自分が宮部さんの特攻のときに見届けることができなかった、助けることができなかった、あの時代に宮部さんが言っていた「死にたくない」という言葉は、正直な真実だったと気づきながら、宮部さんに恩返しができずにいた景浦さんの思いが詰まった行動だったと思います。

戦争中の極限状態が再現された宮部の姿

もっとも印象に残っているシーンは、自ら特攻を志願したあとの宮部久蔵の姿です。

知り合いに声をかけられても反応が薄く、生気を感じることができず、今まで「生きて帰る」ことを考えていた人とは思えないほど憔悴しきっていて顔色も悪く背筋も丸まって部屋の隅にいたシーンです。

目の前で、次々と教え子たちが特攻で死んでいく姿を見たための憔悴なのですが、その落ち込みから立ち直った姿もまた印象的で、戦争中の極限状態というのが再現されていたと感じています。

自らの零戦を若い特攻隊員に譲った一幕

宮部久蔵が特攻に出撃する際に乗り込んだ小型機が、故障気味の為若い特攻隊員に譲り、その若い特攻隊員を帰還させられる様にしたシーンが印象的でした。

若い特攻隊員にその機を譲ったことで、自らは特攻し帰還することは不可能ということを悟っていた姿に心を奪われました。

他人のことを考えながら他人の為に生き抜いた強く優しい宮部の姿がこのシーンにギュッと詰められています。

胸が締め付けられる程切なく悲しく、戦争は二度と起こしてはならないと感じました。

 

『永遠の0』が好きな人におすすめの作品は?

映画『永遠の0』がお好み方におすすめの作品を教えていただきました。

海賊と呼ばれた男

時代背景は『永遠のゼロ』とは違いますが、逆境の中でも真の強さを発揮して立ち向かい、進んでいく姿がとても男気があります。

1つの考え方に縛られず、とにかく従業員たちを守りたいという強い思いを原動力として、必死に大変な時代を生き抜いていく姿から、目の前の物事だけではなく、なぜそれをしたいのかという目的を念頭において何事も行うことの大切さ、そしてそのようにした時の人の強さのようなものを感じました。

 

火垂るの墓

スタジオジブリの戦争を題材にしたアニメ作品ですが、戦争と家族がテーマのひとつとして描かれているところに共通点があると思います。

『永遠の0』では主に宮部と松乃の夫婦の絆が描かれていますが、『火垂るの墓』では14歳の少年清太とその妹節子の兄妹の絆が描かれています。

妹思いで優しい清太と可愛らしい4歳の節子の微笑ましさ、温かさが描かれつつも、戦争孤児にとって過酷で辛い現実があったことも知ることができます。大人も子供も、戦争のことを学べる題材になると思います。

戦争は絶対行ってはいけないと強いメッセージで伝えてくれるところと、愛する家族を大切に思うという気持ちが丁寧に描きながら強く生きていこうとする人々の姿を見ることが出来る作品です。

戦争を知らない世代が増えていく中で、この作品を見ることで戦争を起こしてはいけないということを強く訴えかけることが出来ると思ったので良いと思います。

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ラスト・オブ・モヒカン

古い作品ですがダニエル・デイ・ルイス出演の「ラスト・オブ・モヒカン」がおすすめです。原作は「モヒカン族の最後」という小説ですが、1750年代のアメリカで、イギリス軍とフランス軍が戦っていた際のお話です。

両軍ともにネイティブアメリカン(インディアン)の領地を縦横無尽に荒らしながら領地をとりあっていたのですが、その中でインディアンの部族「モヒカン族」の最後の3人の生き残りが、否応なしに戦火に巻き込まれ、自分たちの信じる思いのままに人を助けていく、という姿と姿勢がとても純粋で悲しい作品だと思います。

 

この世界の片隅に

『永遠の0』は生きることにこだわった主人公でしたが、『この世界の片隅に』での主人公すずは普通の生活を営んでいる少女が戦時中に結婚し、戦火のもとで日々の暮らしを続ける物語です。

戦争が起きていても、普通の生活があったこと。普通の家庭や幸せがあったこと。戦争があったから悲しい思いをしたことなどが日々の暮らしの中の物語として語られています。

すずさんのおっとりした性格と逞しさ、ラストの家族団らんには涙してしまいます。

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まとめ

映画『永遠の0』の

  1. 映画の考察&解説
  2. 似ている作品

についてのご紹介でした。

納得のいく考察や解釈は見つかりましたか?

観る度に新たな発見もできる一作ですので、こちらに寄せられた解釈で新たな視点を発見できましたら幸いです!

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  • この記事を書いた人

齋藤

映画ドラマアニメ全般好きのネタバレオールオッケー女。ネタバレNGな人には最大限配慮。好きな映画のジャンルは歴史・ヒューマンドラマ・アクション。テンアゲ映画が大好きで年150~200本鑑賞。星ひとみさんの占いは下弦の月人間でコジコジが大好き。スラムダンクは水戸くん、鬼滅の刃は縁一推し。

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